難病申請は却下、特発性間質性肺炎の今後の治療
却下という言葉にドキリとしました。
問答無用でだめって感じ。
でも、法律用語を使った正式な返答で、配慮がないのではありません。
勝手に突き刺さっただけでした(笑)
意識していなかったとはいえ、
管轄する都道府県宛に、障害福祉サービス等を申込んでいたのですね。
(却下通知は、市からきました)
却下理由
写真にもある通り、このように書いてあります。
却下理由
指定難病にかかっているものの、以下の理由に該当するため
(1)傷病の程度が特定医療費の対象となる程度ではないため』
今さらですが、調べてみました。
個々の指定難病の特性に応じ、日常生活または社会生活に支障があると医学的に判断される程度とされます。
対象となるにはそれなりの程度が必要なのですね。
4か月前に申請したときはもうちょっと元気でした。
今は、青い顔して仕事から戻り
その後は寝たきりで、よく仕事に行けるなぁと思い見ています。
咳込みは強いのですが、安静時の血中酸素濃度は95ぐらいあります。
ただ、具合の悪そうなところや咳込みに対し、血中酸素濃度の数値は保っていることに開きがあるようで。
もともと平熱より3分上がると具合が悪くなり寝込んでいた人
痛いと思うとすぐ痛み止め
鼻が詰まれば耳鼻科で抗生剤
夫さま、身体の不調と付き合っていくのは向いていないかな。
ほんとうに具合が悪く苦しいのは間違いないのですが、
咳の半分以上は、内部の違和感をすっきりさせたくて、力ずくで排出させようとしているような
むずむずした違和感に心と体で反射しているような印象なんです。
なんだか、身体、内臓の不調に敏感すぎるような気がして。
こういう冷静な見方って嫌な嫁って思います。
なんにしても、日常生活、社会生活に支障があると判断されるには元気すぎるようです。
これからの治療
こちらのブログに、治療法についてほんの少しだけ書きました。
その続きです。
特発性間質性肺炎は治す薬はありませんが、
ここ数年、抗繊維化薬の効果で進行をゆっくりにできる場合があると報告されています。
この抗繊維化薬の薬代、
福井大学医学部付属病院のホームページによると、月19万~44万位するようです。
https://www.hosp.u-fukui.ac.jp/specialty/7905/
薬の値段は変わりますし、この中に、処方料や診察料入ってませんので、あくまで薬代の目安と思います。
確かに、この値段では続かないです。
ホームページにも分かりやすく説明されていますが、
精密検査と医療費助成の申請の同時進行で進めていくようです。
夫さまの主治医もそのようにしてくれています。
ただ、元気なうちは通らないですが。
抗繊維化薬、ステロイド剤について
前述の内容からいくと、早く使って、早く進行を止めましょうということになります。
ところが、もう少し詳しく見ていくと
いろいろ気になるところがでてきます。
日本内科学会雑誌第105巻第6号から、まとめます。https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/6/105_970/_pdf
夫さまは、「特発性間質性肺炎」の「特発性肺線維症(以下:IPF)」です。
特発性肺線維症について
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2011年の時点で「強く推奨する」治療は「肺移植」「在宅酸素療法」。「条件に応じて推奨する」治療として「急性増悪時のステロイド使用」、「無症状の胃食道逆流症への制酸剤」、「人工呼吸」、「呼吸リハビリテーション」。
-
2011年、慢性期のIPFの薬物療法で、推奨されているものはなかったが、条件に応じる治療のステロイドや免疫抑制薬が多くの患者に使われた。
- ステロイドはIPFの経過を悪くした(症状が急に悪くなったとき、IPF以外の症状に効果があることがあった)
- 2015年、ステロイド、免疫抑制薬は「使用しないことを強く推奨する」に変更。
- 2015年、2種類の抗繊維化薬が「条件に応じて推奨する」薬剤として追加。
- ㊟効果を確かめる試験では、軽症から中等症の症例のみ登録されている。
- 抗繊維化薬ピルフェニドンの副作用は、光線過敏症、嘔気、食思不振、下痢、めまい、倦怠感など。薬を服用して、多くの場合にはコントロールが可能。
- 抗繊維化薬ニンテダニブの副作用は、下痢が50~60%程度、悪心が20%程度。下痢の多くは軽度であるが4~5%程度で投与中止になった。
- 市販後調査(2015年12月)では173件の副作用が報告されている。うち重篤が28例(特発性肺線維症 7 例、肝機能障害 3 例、食欲減退2例、間質性肺疾患2例、悪心2例、突然死2例、その他10例)。
- 肝障害が67例と多いのは日本の特徴かもしれず、メーカーからも注意を促している
つまり、
緊急時にステロイドを使うことはありますが、肺の繊維化に対してステロイドはよくない。
また、抗繊維化薬は軽いときでないと効果がない可能性高いです。
さらに、 抗繊維化薬の副作用は尋常ではなく、抗がん剤をイメージしました。
抗がん剤は1クール、2クールと期間を決めて投与しますが、こちらは治らないけれどずっと服用です。
想像では、抗がん剤治療を休まずずっとしている状態で、
うまくいくと進行は穏やかになるのではないかと。
そして、ある程度悪くなってきたときは、なすすべがなく肺の呼吸ができなくなるということかと。
「軽症者特例」による再申請の案内
申請は「却下」となりましたが、病気に罹っているけれど、軽症で助成対象にならない人のため特例について同封されていました。
ありがたいです。
申請月を含む過去12か月以内に、指定難病の医療費総額(10割)が33,330円を超える月が3か月以上ある場合、傷病の程度が特定医療費の対象ではなくても「軽症者特例」により医療費助成の対象になります。
この医療費特例に該当する方は、却下決定通知書の日付から12か月以内に再申請することができます。
まとめ(10/31更新しました)
健康保険の高額療養費を適用し、
抗繊維化薬を3か月間使い、その後申請するとします。
申請が受理されると申請日にさかのぼって医療費助成の対象になるそうです。
申請から医療受給者証が交付まで約3か月程度かかります。その間に指定医療機関においてかかった医療費は払戻し請求をすることができます。
難病情報センターより http://www.nanbyou.or.jp/entry/5460
約3か月後に受理されるとするなら、
それまで、少なくても30万と立替金30万かかるでしょう。
受理されれば、その後の医療費について金銭的な心配はなくなります。
金銭的な心配もありますが、
この薬を使いたいかどうかです。
副作用のために、まともな社会生活できなくなるかもしれません。
薬が効いて、ゆったりと何年も生きていけるかもしれません。
高年齢の方に抗繊維化薬は勧められないそうです。
薬で長く安定する方もいるけれど
副作用その他で体調を崩す方もいたそうです。
主治医は柔らかくこちらの話を受け止めてくださいます。
現在の中医学の治療をしていく選択肢も認めてくださいました。
びっくりです。
漢方は、西洋の薬を否定するものではないので
両方使うことができると思いますが、
抗繊維化薬を使うなら、漢方を服用する必要あるのか疑問です。
今回の却下通知、
わたしとしては、
ステロイドや抗繊維化薬に躊躇するものがあるので
夫さまがどうするかを考える時間が与えられ、良かったと思っています。
薬6割、残りの4割
この薬以外のことを充実させたいのですが
夫さまに、そこを求めるのは難しいですねぇ、おもいっきり・・・^_^;